北九州市立大学内に、Etica(エチカ)というフェアトレード・ショップが開設されている。このお店は、北九州市立大学北方キャンパス本館地下1階のパーラー内に、毎週火曜日から木曜日の11:00-15:00にオープンしている。2017年2月16日まででいったん終了するが、4月から同じ場所で再オープンする予定である。
ここは北九州市立大学外国語学部の大平剛教授を中心に経営されており、学生たちもボランティアとして多数参加している。
大平教授は、この店を始めた目的は大きく2つあるという。1つは、フェアトレードについて知ってもらうことである。フェアトレードについて聞いたことはあるけど詳しくは知らないという人も多いのではなかろうか。フェアトレードとは、公正な貿易を行うことで不当な搾取を排除し途上国の貧困緩和に一役買う、簡単に言うと「買い物でできる身近な国際協力」のことである。フェアトレードを知り、現在世界中で行われている貿易について、システムの歪みや不公正な部分を、学生を中心に多くの人に認知してもらいたいと、大平教授は言う。そのため、フェアトレードに各方面から携わっている方々を招いてのシンポジウムを開催したり、国際問題に関するDVDの鑑賞会を開催したりもしている。
2つ目の目的は、フェアトレード以外の方法でも地域や消費者に貢献することである。そのため、遺伝子組み換えでない無農薬のオーガニック商品や児童労働の禁止など、「環境」「人権」に配慮した倫理的な部分を重視した商品も取り揃えている。また、地産地消を通じて、海外の生産者との繋がりだけでなく、地域の一員としての役割を果たすことができるのも、このお店の魅力の1つである。
大平教授は、その先にもう1つの可能性を見出している。それは、北九州市立大学の「フェアトレード大学」の認定、そして北九州市の「フェアトレードタウン」の認定である。もしも本大学が認定されれば、日本で第一号の「フェアトレード大学」となる。そうすれば、日本有数のフェアトレード活動の拠点としての役割を果たす事ができ、北九州市の知名度やイメージの改善にも繋がる。その大きな目標こそが大平教授や学生たちを突き動かしているのかもしれない。
ボランティアで店員として参加している学生は、「商品を買ってくれたお客さんが品質や味を褒めてくれる時に1番やりがいを感じる」と語る。ボランティアの学生達は大平教授のゼミを履修している学生や、教授の授業で話を聞いて賛同した学生などから構成され、23人ほどでショップ班・宣伝広報班・仕入れ班の3つに分かれ、シフト制で活動を継続させているという。取材に対応してくれた学生のおすすめの商品は、「コーヒー豆チョコ」と「山羊皮財布」とのことだった。
このように、フェアトレードショップならではの商品を数多く扱っている「Etica」には多くの魅力がある。是非多くの人に足を運んでもらい、フェアトレードを知ってもらうとともに、このお店特有の商品を手に取ってもらいたい。
【イベント紹介】
シンポジウム「北九州市でフェアトレードを普及させるには」
日時:2017年2月7日(火) 15時~18時
場所:北九州市立大学北方キャンパス本館2階 C201教室
参加無料。事前申し込み不要。
【お問い合わせ】
北九州市立大学外国語学部 大平剛教授研究室
093-964-4073
ohira-t@kitakyu-u.ac.jp
記事:小川裕真・田原千賀子
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