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次世代を担う人材の育成のために「北九州企業人による小学校応援団」



2016年1月25日、40年に1度の大寒波の中、企救丘小学校の児童達は元気に登校し、小学校応援団による授業が行われた。


北九州活性化協議会(KPEC)は、設立20周年を機に「小学校応援団」を発足させた。小学校は人間形成の基礎が作られる重要な時期であり、学ぶこと、夢を持つこと、感謝すること、人の話を聞くことが大事であり、そして社会の仕組みを知るきっかけづくりが大切である。そのためには、保護者(PTA)や教職員だけでなく、地域社会で支えあうことが必要であり、小学校応援団はその環境づくりを行っている。そのための具体的な例としては、今回の出前授業のようにさまざまな職業を紹介することで、児童に将来の自分を考える機会を提供するという活動等があげられる。小学校応援団事務局長の神崎哲朗さんは、「小学校のときは将来に向けて幅広く見ることができるきっかけづくりが大切である。出前授業を通してより多くの職業を知り、夢を持ってほしい。」と語る。


小学校応援団の主な活動は、小学校への出前授業(児童への授業)、教職員への研修、保護者への研修等、小学生の体験学習や社会科見学の受け入れなどである。講師と小学校のマッチングの仕方は、まず小学校応援団があらかじめ企業側から申し出のあったテーマを小学校に提示し、小学校が実施したいテーマを選んで小学校応援団に申し込む。テーマは、職業紹介だけでなく、走り方教室、マナーと言葉遣いなど約80種類あり、小学校の様々なニーズに応えられるようにしている。





テーマに沿って企業人・職業人が学校に出かけて授業を行う。職業紹介の出前授業では特別なことを教えるのではなく、普段行っている仕事を紹介し、その職業に就くために必要なことや、これから中学生や高校生、社会人になっていく上で重要なことを伝えるという。仕事を紹介するためには紹介する側にも知識が必要であり、企業にとっても人材育成に繋がると考えられている。活動はすべて無償で行われている。


2015年度は約130回の出前授業が実施され、これからもっと増やしていくという。


今回企救丘小学校では6年生を対象に、4人の講師によって授業が行われた。サッカー選手、プログラマー、保育士、図書館司書である。児童は自分の聞きたいと思う授業を選んで教室に別れて話を聞く。サッカー選手による授業では、自分自身の経験から守備やヘディングなど得意なことを例として、自分の武器(長所)をもつことの大切さが伝えられた。児童達はメモを取りながら、率直な意見を口にしたり、講師からの問いかけに答えたりしながら聴いていた。小学校応援団事務局次長の久多良木献さんは授業に関して、「出前授業により学校では教えられないことを教えたい。子どもたちは職業について知らないことが多いので、身近な大人がいろんな仕事があることを教える必要がある。頑張っているところを子どもたちに示してもらいたい。」と言う。





小学校応援団は、2017年度には北九州の全小学校を対象とすることを目標とし、事業を広げることを目指している。また、テーマの数をさらに増やしていくため企業の募集も行っており、参加企業や講師の拡大にも取り組んでいる。


北九州企業人による小学校応援団

主催:北九州活性化協議会(KPEC) 北九州市立商工貿易会館6階

問い合わせ: 093-541-3122

担当:久多良木(くたらぎ) 献さん (事務局次長)


記事:北九州市立大学 若松亮介

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